SETREではこれまで、ホテルメイドの様々な商品の企画・販売を行ってきました。

ホテル業の域を超え、”地域の編集者”としてSETREのある地域で出会った生産者や食材を、より多くの人々に伝えていく役割を目指し、2年間で8ジャンル17商品を生み出してきました。
企画・販売においては、自社内で行ってきたのですが、商品の”製造”は、商品ごとに製造工場に依頼をしてきました。
本業とは違い、ノウハウもない中で模索しながらでしたが、商品を通してSETREの認知を広げていくこの物販の事業に可能性を感じられる2年間の中で、しっかりと事業化をしていくにはどうしたらよいのか、を考えました。

その一つが、企画・販売の域に留まらず、”企画・製造・販売”まで一気通貫で行うことでした。
そして、1年後、自社ホテルの一部を菓子工房にし、SETRE Canelé(セトレのカヌレ)が誕生しました。

商品企画

これまで2年間で17商品を生み出した私たちが約1年間を費やし、1商品にこだわり考え抜きました。
誰に何をどういう需要でどこで買ってもらうことがSETREにとってベストなのか、そしてその商品は何なのか。

ホテルの一部を製造工場にするという規模感含め、事業性のある商品を作るにはどんな基準を設けて、商品を選定すべきか、とチームで話し合いました。

①物語のある「原材料」(地域・社会・未来にとって良い製法・育成法・思想などを持っている)
②10人中8人が知っている「アイテム」
③シェア・小分けに出来る「サイズ」
④「冷凍」で保存が可能
⑤自社工場だから美味しくなる「ひと手間」をかける
⑥「店舗(SETRE)」で提供できるか

等・・・諸条件と市場調査を並行して進めながら、様々な商品を検討することから始まりました。
チーズケーキや、バームクーヘン、バターケーキ、プリンなどの菓子や、デニッシュパンやクロワッサンなどのパン類、ハンバーグやドレッシング、キッシュやタルトなど、、、バリエーションも多く比較検討していきました。

その後、”事業化”できる道筋を整えていく中で、当初の諸条件に加え、確実に販売見込みを持てるSETREの強み(他のメーカーとの差別化のポイント)として、自社ブライダル事業があるため、
「引出物・引菓子で販売できる商品であること」も加え検討を進めていく中で、カヌレに決定をしました。

商品開発

商品開発において、全国で物販事業を拡げられている旧知の企業の取締役にサポートいただくことになり、有名なパティシエを紹介いただき、SETREのシェフがレクチャーを受けながら、カヌレの試作が始まりました。

実店舗で人気のカヌレから、ECショップで人気のカヌレまで様々取り寄せ開発メンバーで食べ比べをし、納得のいくクオリティを求め何度も何度も試作を繰り返します。

銅型とシリコン型で焼いた時の違いや、焼き加減など、多くの調整を繰り返しました。

SETRE Caneléの特徴でもある、中身のとろっと感は、大きな差別化できるポイントで、味の美味しさはさることながら、食感にこだわり試作は100回以上繰り返しました。

パッケージの企画

”ギフト”としての利用がメインのSETREの商品において、パッケージはとても重要なポイントにしています。企画初期段階から、パッケージの案も様々な議論がありました。

見た目の上質で洗練されたパッケージはもちろんですが、機能的な側面も考慮します。引菓子の場合、長時間移動などで持ち運びがされることも想定し、頑丈でないといけない。また、冷凍で保管が出来る様な素材であることや、販売価格に見合った原価率が保てるか否かなども必要な判断材料に。

4個入りは、グレーの箱にシルバーの箔押しでカヌレのイラストをあしらったパッケージです。
ポイントカラーで、5つのホテルのロゴカラーをシールの色に採用しました。

 

ホテルにご宿泊の方や催事等でお渡しする際には、手に持ちやすいパターンも考え、採用しました。 

企画・販売だけを行ってきた私たちが製造までをも担うことで、大変な局面も多くありましたが、ひとつひとつ商品を作り上げていく過程をもお客様が手に取ってくださる日を楽しみにしながら進めてきました。

次の記事では、原材料へのこだわりやカヌレに込めた社会意義のある活動を紹介します。