
地方に旅行する際、その土地のグルメや観光地を押さえておくのはマストですが、現地の人とのコミュニケーションも素敵な旅の思い出となる大きなポイントです。
そこで押さえておきたいのがその土地の方言。今回は、奈良の方言をまとめました。
「大和弁、吉野弁とは?」
奈良の方言と一口に言っても、実は大和弁(奈良弁)と吉野弁という2つの方言が存在しているのはご存じでしたか?奈良県北中部の方言は奈良弁または大和弁と呼ばれています。大和弁というと何だか雅な雰囲気が漂いますね。
いわゆる関西弁の一種ではあるのですが、大阪弁よりやや語感マイルドな印象。例えば、話しかける際の「あのね」という言葉。大阪では「あのなー」となりますが、大和弁だと「あのみー」となります。何だか可愛らしくほっこりした印象を受けませんか?
一方、吉野地方など奈良県南部では吉野弁と呼ばれる方言があります。吉野弁はいわゆる関西弁のアクセントとは異なり、標準語のアクセントを用います。
というのも吉野地方は紀伊山地により他の地域への行き来が難しく、人々の往来がかなり少なかったよう。そういった地理的な要素もあり、吉野地方では独自の方言が発達したといわれています。
ただ、現在では交通事情もよくなり人々が簡単に往来できるようになったため、いわゆる関西弁の一種である大和言葉と吉野弁の境がなくなってきているのが事実。
今回は主に大和弁と呼ばれる奈良県北中部でよく聞かれる奈良の方言を4つご紹介します。スムーズなコミュニケーションでより奈良旅は楽しくなるはず。ぜひ参考にしてくださいね。
奈良の方言1:「ほーせき」
まずご紹介したいのが、奈良独自の方言である「ほーせき」という言葉。
ついキラキラ輝く”宝石”を頭に思い浮かべてしまいますが、違う意味を持ちます。ほーせきとは「おやつ」のこと。何だか可愛らしいですよね。
ですので「ほーせきよばれた」というと「おやつをもらった」という意味になります。瞬時に理解するのはなかなかハードルが高いかもしれませんね。
近畿地方で広く使われる関西弁は、関西の人であれば違和感なく聞き取れたり意味を理解したりできるのですが、この「ほーせき」という言葉は、奈良以外の関西人だと知らない人も多いのでは。
奈良のカフェではスイーツのことを「ほーせき」と表記していることが多々ありますが、同じ関西人でも一瞬「ん?」となる人も多いのです。
知っていると奈良通!と思われる方言の一つであることは間違いなし!
ちなみに、ならまちにあるかき氷の有名店「ほうせき箱」の店名の由来もこちらから。奈良では昔から親しまれている言葉なのです。
しかし、最近ではあまり使われていないのが現状かもしれません。比較的高齢の方が使っているイメージでしょう。
ですので、奈良を旅行中に「ほーせき」という方言を耳にできたラッキーかもしれませんね。
奈良の方言2:「ぬくい」
続いては、老若男女問わず使われれることが多い方言「ぬくい」。実際に奈良に住む人たちからすると、方言だと思っていない人も多いのですが、それだけ奈良県民にとっては日常でよく使う言葉なのです。
関西では比較的通じやすい言葉ですし、最近では全国的にも「何となくニュアンスは分かる」という位、定着してきている方言の一つかもしれませんね。
ぬくいとは温かい(もしくは暖かい)という状態を指す言葉です。気温もそうですが、モノの温度に対しても使う言葉。
旅先で出会うとしたら「今日はぬくいな~」といった感じで、暖かい日によく聞かれる言葉ですね。
また、温かいお料理を出された際に「ぬくいうちに食べてや~」と言われたら、「お料理が温かいうちに食べてね。」という意味。ぜひ温かいうちに手をつけましょう。
反対に冷たいものがぬるくなってしまった状態でも使います。例えば「このアイスコーヒーぬくなってしもた」と言われたら、「このアイスコーヒーぬるくなってしまった」という意味。
暑く(熱く)もなく、寒くも(冷たくも)なく、何となくほのあたたかいような状態を指すとイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれませんね。
奈良の方言3:「しらこい」
これも老若男女問わず日常で使われる言葉です。しらこいとは「白々しい」という意味の方言です。
関西の多くのエリアでこの「しらこい」という言葉は通じますが、発祥は奈良と言われています。
使われ方としては「あの人、しらこいなぁ~」といった感じで、「よくそんなみえ透いた嘘つけるな、本心にないことを言えるな」といった意味合い。どちらかというとネガティブな場面で使われます。
また、関西人同士で見え透いたお世辞に対して「しらこっ!」と、返す場面もよく見受けられます。この場合は、ツッコミと少しの照れ隠しが含まれているようなイメージです。
近年では、全国的に耳にすることも増えてきたので馴染みのある言葉となりつつあるかもしれませんね。
奈良の方言4:「いらう」
いらうとは触るという意味。こちらも奈良県民がよく使う言葉です。
「いらわんとってやー!」や「勝手にいらったらあかんで」という使われ方をします。語尾が色々変化しますが、いらうとは「触る」という意味。いらう+否定語で「触ってはいけない」という場面で使われることが多いです。
ですので「いらわんとして」と言われたら、すぐに手を引っ込めるのが正解です。
奈良の地元スーパーに行くと、子どもが母親に「買わへんやつ、いらわんとってや」と注意されているところに出くわすことも。「買わないものは、触らないでね」という意味で、それくらい日常的に使われています。
まとめ
今回は奈良の方言として4つご紹介しました。奈良は京都、大阪と隣接しています。そのため、昔から他の関西エリアとの行き来も盛んで、言葉が混じりあって関西弁として関西一円で通じる言葉が多くあります。
今回ご紹介した「ほーせき」という方言以外は、大阪、京都、兵庫でも通じるので比較的とよく聞ける方言といえます。実際に使ったり、耳にしたことがある言葉もあるかもしれませんね。
一方、「ほーせき」という言葉は同じ関西エリアでも奈良以外ではほとんど使われないので、かなりレアな方言といえるでしょう。
その土地ならではの言葉に出会えるのも旅の醍醐味。ぜひ奈良に足を運ぶ際は、方言にも注目してみてくださいね!
SETRE NARAMACHI
住所:奈良県奈良市高畑町1118
TEL:0742-23-2226
営業時間:
【ホテル】 火曜定休
http://www.hotelsetre.com/naramachi

- top
- city guide
- city guide(奈良)
- 奈良に行くなら知っておきたい!旅行でも使える奈良の方言。