
歴史ある寺社仏閣が立ち並ぶ古都奈良。
中でも「東大寺」は、奈良を代表する歴史的な観光スポット。東大寺のシンボル的な存在である大仏「盧舎那仏」をはじめ、国宝である南大門、世界最大級の木造建築である大仏殿など見所がたくさんあり、奈良に行くなら必ず行きたい場所です。
そんな東大寺で行われる伝統行事「お水取り」をご存知ですか?
「お水取り」は、東大寺にある「二月堂」で行われるとても神聖な仏教行事。この行事を目的に、わざわざ遠方から訪れる方もいるんですよ。今回は奈良、東大寺で行われる伝統行事「お水取り」についてご紹介します。
お水取りって?
「お水取り」は昨年一年間の罪をお祓いし、この先一年間の安全や幸福を神仏にお祈りする行事です。「修二会(しゅにえ)」と呼ばれる東大寺の大規模な行事の中のひとつで、奈良の春を告げる行事として知られています。修二会は752年から現在まで途切れることなく続けられている東大寺の大規模な伝統行事。
修二会の期間中は、夜遅くまで平和と人々の幸せを祈る様々な行が行われます。
火の粉を散らす巨大なお松明
修二会の本行中は毎夜高さ約6メートルの巨大な松明(たいまつ)に火が灯され、僧侶たちが舞台である二月堂に入り、深夜まで祈りが捧げられます。燃えさかる松明が掲げられる場面は、「お松明」と呼ばれ、修二会の中でも代表的な場面。
この松明は1〜11日と13・14日は長さ約6メートル、重さは約60キロ、12日の松明は長さ約8メートル、重さは約80キロにもなるといわれています。燃えさかる巨大な松明から火の粉が降り落ちる様子は圧巻!この火の粉は無病息災をもたらすとも言われているんですよ。多くの方がこの場面を見るために、御参拝します。
お水取り
本行が執り行われる12日深夜に、僧侶たちはお祈りの合間に二月堂下にある若狭井(わかさい)に1時間ほどかけて水を汲みに行き、本尊である十一面観音にお供えをします。この水は「香水」と呼ばれ、この儀式がその名の通り「お水取り」の儀式なのです。
だったん帽いただかせ
修二会の行が無事に終わった15日の朝に「だったん帽いただかせ」という行事が行われます。これは行中に使われた「だったん帽」を被せてくれる行事で、被ると健康で良い子に育つと言われています。たくさんの親子連れが訪れる行事なんですよ。
どこで行われる?
お水取りは、奈良・東大寺の二月堂(にがつどう)で執り行われます。日本の国宝にも指定されている仏堂です。お水取りが旧暦の2月に行われたことから、「二月堂」という呼び名になったと言われています。
元々は752年に創建されましたが、1667年に火災により焼失し、現在の二月堂は1669年に再建されたものです。お堂の中には2体の十一面観音像が安置されていると言われていますが、絶対秘仏であるため、誰も見ることができません。
歴史的背景はもちろん、美しい眺望も二月堂の魅力。山麓に建立しているので、二月堂の舞台からは生駒山、大仏殿、奈良市街地をはじめ古都奈良の美しい大パノラマを眺めることもできるんですよ。
いつ行われる?
お水取りの本行が行われるのは、3月1日から3月14日までの2週間。奈良では「お水取りが終わると春が来る」といわれており、春を告げる行事です。12日から13日の深夜に行われる「お水取り」の行がよく知られていますが、期間中は他にも様々な行が執り行われます。
多くの参拝客が訪れる「お松明」を見ることができるのは、3月11日〜3月13日の19時頃から約20分ほど。最終日の3月14日は18時30分から10分ほどの時間で実施されます。
「お水取り」儀式が行われる3月12日は、本行中の中でも、最も大きなお松明を見ることができ、実施時間も約45分間と長時間に渡ってダイナミックな光景を見ることができます。
観光客に人気のお松明ですが、感染症の拡大防止のため、拝観に制限がかかる場合もあります。お松明を見に行きたい場合は、東大寺のホームページを確認しておきましょう。
東大寺ホームページ:http://www.todaiji.or.jp/index.html
まとめ
大仏をはじめ、歴史的な建造物や寺社仏閣がたくさんある奈良。歴史的な建築を眺めるのも見どころのひとつですが、歴史ある行事に参加するのもおすすめです。より歴史深い奈良の魅力を知ることができますよ。
ぜひ今回の記事をご参考に、奈良の伝統行事についての知識を深めてみるのはいかがでしょうか!
SETRE NARAMACHI
住所:奈良県奈良市高畑町1118
TEL:0742-23-2226
営業時間:
【ホテル】 火曜定休
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